記事公開日: 2015/10/25 最終更新日: 2016/09/19
【VESPAGTSの足回りセッティング】テキトー楽ちんサグ出し
ショックを変えても思ってたような効果が出なかったり、違いがよくわからなくてガッカリした経験ありませんか??
自分はフロントショックだけ先に交換した時に、「純正とあんま変わらんやん。。。」とショックを受けておりました。。。。
色々調べると、「サグ(sag)出し」という、ショックの最適なパフォーマンスを引き出す調整方法があるとの事。せっかくショックを変えたんだから、これは是非ともやっておきたい!
ただ、調べていくうちに気づいたのですが、サグ出しってすげーめんどくさい。。。
しかも一人だと難しい。。。
でもサーキットでタイム出すわけじゃないし、そんな神経質にならなくていいや。
と、開きなおり、自分流の適当サグ出しを編み出しましたので、ご紹介します。
サグ出しとは?
「バイク サグ出し」などと検索すると、やり方や理論などが多く見つかるはず。簡単にまとめると、足回りを効果的に使う為、基準値と感覚を使ってプリロードとショックの堅さを調整することらしいです。
サグ出しが完了したら、その状態を基準にしてセッティングを開始するのがベストらしいのです。(実はそこまでよくわかってないです汗)
ショックがポテンシャルを最大限に活用できるのは、サスペンションストロークをすべて使い切れるように調整した時らしいですね。
一番伸びきった状態と、一番縮んだ状態の距離を「ホイールトラベル」とかいいます。
この距離は路面の状況や乗る人の体重などに左右されるので、レースでは、例えばコースごとに足回りのセッティングを変更するのに、このサスペンションストロークを全て使い切る事を目標にして調整する事もあるそうです。
セッティングの方向性
自分の場合は「乗り心地を良くする事」を一番に考えました。
純正ショックでは、一番ストロークするセッティングにしていましたが、それでも長めのツーリングでは腰が痛くなってました。。。これを解消する事を目的に調整します。
「サーキットでタイムを出す」「スポーティな乗り味にしたい」という場合は、今回のセッティングは適さないかと思います。
サグ出しの下準備
足回りの取り付け部が緩んでないか、そして、タイヤの空気圧は適切かを確認します。
ただ自分はなるべくスピードが出やすいよう、タイヤの空気圧を高めに設定しています。
フロント2.2、リア2.5くらいです。
sipのカタログ曰く、適正値はフロント2.0、リア2.3みたいですね。
自分の経験上、空気圧はスピードにかなり関係してくるので、乗り心地を犠牲にしてでも高めに設定します。
乗り心地のみ追求するなら適正値にした方が良いのでしょうが、、、、
サグ出しに必要な物
▽必須なもの
- ・定規
- ・カメラ
- ・ストローク量の基準値
▽あると楽な物
- ・ジャッキ
- ・テープ(必要であれば)
- ・手伝ってくれる人(一人でもなんとかできます汗)
今回はテキトー楽ちんサグ出しなので、必要最低限なものにしています。
本来はショックの調整もするべきなのでしょうが、プリロードの方が調整した時の影響力が大きいので、今回はショックの調整は無視してプリロードのみで調整します。
サグ出しのやり方
本格的な方法では、以下の3つの数値を計り調整していきます。
- 1.車体を浮かせた状態
- 2.車体のみ地面に設置した状態
- 3.車体に乗った状態
ただ、これだとめんどくさい!
ということで、今回はこの3番を省いています。
また、計測はミリ単位で正確に行うのが通常なのですが、
もうこれもめんどくせぇという事で「大体」で計る事にしました。
ストローク量の基準値を知る
いったいどれくらいの量だと適正なのか?これがなかなかくせ者で。。。。
まずなかなか情報が無い!そして見つかっても言ってる事が少し記事によって違っていたりと。。。
しかもサグ出しの適正値として一般論としてあるものと、ショックに付属している解説書に書いてある数値が微妙に違ったりもします。なのでもうざっくりした目安として考える気持ちで良いのだと思います。
神経質になってもしょうがないと。。。今回はVESPAに近い情報から拾っていく事にしました。
sipの解説
sipははじめの取引でカタログをくれたのですが、ここになんと数値が載っていました。 先述の1と2の状態の差が、
10-15mm at the front
5-10mm at the rear
が適切とのことです。
bituboの解説
bituboには解説書が付いていました。
実はリアの方しか見ていないのですが、、、
そこにはこんな記述が。
10+/-2mm
つまり8mm-12mmが適正値みたいです。
なるほど、sipと近い数値ですね。
サグ出し開始!
※計測前の状態は、乗った感覚で心地よい状態に調整しています。
フロントから計測
まずはフロントタイヤを地面から浮かせなくちゃいけません。
ジャッキがあればフロアの下から上げれるのですが、面倒だったのでメットインのケースをフロアの下にかませて上げました笑
写真の右端に少し写り込んでます。割れる可能性があるのであまりお勧めできませんが、、
フロントを浮かせたらこれを出来るだけ真横から写真をとります。
え、計らないのかって??面倒くさいのでここでは計りません。
次に車体を下ろした状態で同じ箇所の写真をとります。結構沈んでてびっくり。
センタースタンドもサイドスタンドもかけない状態にする事が必要です。
ここで誰か手伝ってくれる人がいれば、車体を抑えてもらうと楽ですね。
ただ、一人でもなんとかできますがこれもお勧めではありません。。。
定規で測る
2枚の写真がとれたら、ここで定規で測ります。目安にした2つの地点の距離が測れれば良いので、センタースタンドをかけた状態で計測しました。
タイヤを浮かせてストロークが伸びきった状態と、車体を地面につけた状態でどれくらいの差があるか見比べた後、縮んだと思われる場所を目安にして計測します。
自分はbituboだったので、計測位置を上はシャフトが見える箇所にし、下は赤いステッカーを目安にしました。
大体20mmくらいですね。
sipの言う10-15mmからは少し外れており、よりストロークしやすいのセッティングといってよさそうです。(bitubo解説書の適正値も確認しとかなきゃ。。。)
調整をして再計測
適正な数値にするには、プリロードをもっとかけて(締めて)ストローク量を減らす必要があります。プリロードをかけた後、一旦フロントを浮かせてから着地させ、写真を取って再計測する必要がありそうです。
リアの計測
リアはエアクリボックスの上から計測します。外すのは面倒なので。。。笑
裏からショックの位置を確認して出来るだけ近い角度で計測をします。
自分の場合はちょうどマロッシのステッカーを貼っていたので、これを目安にしたいと思います。ステッカー等を貼っていなければ、剥がしても跡の残りづらいテープを適当に貼って計測するとやりやすいと思います。
フロントと同じように、前述の1、2の状態でそれぞれ写真を取りました。その差を計測します。
リアはセンタースタンドがあるのでフロントより楽ちん♪
ショックが通ってる角度を意識して計測します。こちらも大体20mmくらいですね。
bitubo適正値の8-12mmからの外れが大きい。。。。
もっとプリロードをかけた方が適正みたいです。かなり緩めたからなぁ。。。
ただ、何度かこれよりもプリロードをかけてみたのですが、路面のギャップをよく拾うようになってしまい、腰にきました。。。
空気圧が高めだからでしょうか。
※リアのプリロードを変更する場合
製品には調整用の金具が付いてきますが、手でも全然回せちゃいます。
ただ、目安がないので、ペン等でプリロードの円盤に印をつけておき、それを目安にして1回転単位で調整しています。
調整をして再計測
リアの場合はセンタースタンドかけて調整後に、スタンド外して再計測ですね。
サグ出し終了
と、こんなかんじでしたがいかがだったでしょうか??
サグ出しは以上で終了です。自分は結局調整しませんでした笑
ただ、適正値よりもストローク量の多いセッティングなんだなと認識できたのは目安として良かったと思います。
とくにリアは適正値との乖離が大きかったですが、今のところ2人のリでも底付きする感じも無く快適です。なので今回は調整無し!
bituboの場合
bituboの場合ですが、出荷状態ではフロントもリアも限界値近くまでプリロードがかかった状態になっていました。
ストローク量はかなり少なくなっており、適正値とはかけ離れているはず。
なので調整無しのままだと、乗り心地はかなり悪い状態になっているのではと推測しています。
幸い調整はそんなに苦ではないので、是非調整して頂く事をお勧めします!